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薄荷

時の針を少し戻して 

キミとまた会う事が出来たら

これまでの瑣末な日々の彼是を

嗄れた声で話せたら

 

キミの針は止まった儘で

ボクの針は回り続けた

匆々に過ぎる日々は残酷に

少しづつキミを忘れていく

 

ねえ、ワタシのこの躰が

解れて行く姿を忘れないで

誰も知らない深い海の底

沈めてしまえたのなら

二人だけの秘密は決して忘れないよ

 

遠い、遠い昔に見た夢は

二人海に溶けて消えてしまいました

なんて、なんて可笑しい唯の夢

固く結びついて 解けなくなったよ

もうその手は握れなくて

 

満ちる月の明かりの下で

独り彼は誰時を待った

願い事 ひとつ 胸に抱いた儘

少しづつ潮が満ちていく

 

ねえ、アナタのその瞳に

映る世界の色が褪せない様に

誰も届かない遠い雲の上

浮かべてしまえたのなら

二人だけの世界は決して消えないでしょう?

 

遠い、遠い昔に見た夢は

二人海に溶けて消えてしまいました

なんて、なんて可笑しい唯の夢

固く結びついて 解けなくなったよ

 

どうか、どうかこの夢から覚めて

また二人歩けたらなんて馬鹿みたいね

いつか、いつか凡て忘れ去って

日々が続いて行くのが怖くて仕方なくて

 

もうその手は握れなくて

 

もうその手は握れないと知った

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